安定しているのに満たされなかった。公務員から営業職へ転職して気づいたこと

安定している仕事に就けば安心できる。以前の私は、そう思っていました。

実際、公務員として働いていた頃は、周りから「安定していていいね」と言われることがよくありました。収入も大きく崩れることはなく、世間的にも安心感のある仕事だと思います。私自身も最初は、「公務員=ホワイトで働きやすい仕事」というイメージを持っていました。

ただ、実際に働いてみると、思っていたのとは少し違う部分もありました。

働いてみて感じた、外からのイメージとの違い

特に感じたのは、部署によって働き方がかなり違うことです。比較的落ち着いている部署もある一方で、残業が多く、決して楽とは言えない働き方をしている人もいました。

外から見た「安定していて働きやすい仕事」というイメージと、現場で感じる空気にはギャップがある。これは、実際に働いてみて初めて分かったことでした。

もちろん、これは公務員全体を一括りにして言えることではなく、私がいた環境で感じたことです。それでも、入る前に持っていたイメージとの違いは、少しずつ自分の中に積み重なっていきました。

淡々と仕事をこなす毎日に、少しずつ違和感が生まれた

もう一つ大きかったのは、仕事の進め方です。

公務員の仕事は、決められた流れに沿って、正確に進めることが大切です。それ自体はもちろん必要なことですし、社会を支える上で欠かせない役割だと思います。

ただ、当時の私にとっては、淡々とこなす業務が多く、自分の裁量で工夫したり、自分から動いて変えたりする場面はあまり多くありませんでした。

「こうした方がもっと良くなるのでは」と思うことがあっても、自分の判断で大きく動けるわけではない。その感覚に、少しずつ物足りなさを感じるようになっていきました。

最初は気のせいかなと思っていましたが、同じような毎日を繰り返す中で、「このままでいいのかな」という気持ちが少しずつ大きくなっていったのを覚えています。

頑張りと評価が結びつきにくいように感じた

働く中で、もう一つ引っかかっていたことがあります。

それは、仕事への向き合い方に差があっても、評価や給与の違いが見えにくいと感じる場面があったことです。もちろん、どの職場でも完全に公平な評価は難しいと思いますし、私が見えていない部分もあったはずです。

それでも当時の私は、真面目に仕事をしている人も、そうでないように見える人も、大きな差が見えにくい環境に違和感を持っていました。

「頑張ることに、どんな意味があるんだろう」
そこまで強く言葉にしていたわけではありませんが、心の中ではそんな気持ちが何度もよぎっていました。

昔ながらの風習が、自分には少し窮屈だった

加えて、年功序列や飲み会文化のような、昔ながらの風習が根強く残っていると感じる場面もありました。

そうした環境が合う人もいると思いますし、それ自体を否定したいわけではありません。実際、そういう人間関係の築き方が安心につながる人もいるはずです。

ただ、私自身はもう少しフラットに、仕事そのものや日々の向き合い方を見てもらえる環境の方が合っているのではないかと思うようになりました。

それでも、安定を手放すのは怖かった

違和感はあっても、転職を決めるまではかなり迷いました。

やはり、安定を手放すのは怖かったです。
「わざわざ環境を変える必要があるのか」
「転職して後悔しないのか」
そんなことを何度も考えました。

公務員という仕事には、間違いなく大きな価値がありますし、責任も重い仕事です。だからこそ、「自分に合わないかもしれない」という理由だけで離れることに、後ろめたさのようなものを感じていたのも事実です。

それでも、何も変えないまま数年後も同じ違和感を抱えている自分を想像したとき、その未来の方がしんどい気がしました。

営業職に転職して、仕事への向き合い方が変わった

そうして私は、営業職へ転職しました。

公務員とはかなり違う世界なので、不安は大きかったです。実際に働き始めてからも、戸惑うことはたくさんありました。求められるスピード感も違いますし、自分で考えて動くことの多さにも、最初は圧倒されました。

そんな中で、今でも印象に残っている出来事があります。

あるお客様への対応を任されたとき、私はとにかく失礼がないように、間違いがないようにと慎重に進めていました。自分では丁寧にやっているつもりでしたが、そのとき上司からこんな言葉をかけられました。

「丁寧なのはすごくいい。でも、相手が何を求めているかを自分で考えて、一歩先を出せるともっと良くなるよ」

その言葉を聞いたとき、少しハッとしました。

私はそれまで、仕事とは「正しくこなすこと」だと思っていた部分が強かったのですが、営業の仕事ではそれだけでは足りません。相手が何を考えていて、何に困っていて、どうしたら安心してもらえるのか。そこまで考えて、初めて価値になるのだと気づかされました。

自分が求めていたのは、安定だけではなかった

もちろん、営業職が楽だとは思いません。うまくいかないこともありますし、自分の力不足を感じる日もあります。

それでも、ただ与えられた仕事をこなすだけではなく、「自分はどうしたいのか」「どう動けば相手の役に立てるのか」を考える時間が増えたことで、仕事への向き合い方は確実に変わりました。

転職をして気づいたのは、私が求めていたのは単なる安定だけではなかったということです。

もちろん、安定は大事です。生活していく上で、簡単に無視できるものではありません。でもそれと同じくらい、自分が納得しながら働けること、自分の意思で動けること、少しでも成長を感じられることも大切でした。

おわりに

公務員から営業職へ転職したことで、仕事に対する考え方は大きく変わりました。

どんな仕事に就くかも大事ですが、それ以上に、「自分がその仕事にどう向き合えるか」が大切なのだと思います。

今も迷うことはあります。ただ、以前よりは、自分の働き方を自分で考えられている感覚があります。

あのとき感じていた違和感は、ただの不満ではなく、自分に合う働き方を考えるためのサインだったのかもしれません。

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