公務員は、安定していて働きやすい仕事というイメージを持たれやすいと思います。実際、私自身もそうした印象を持っていましたし、働いていた中で「たしかにこれは公務員の強みだ」と感じる場面は多くありました。
一方で、実際に働いてみて初めて見えた大変さや、外に出てから気づいたこともあります。今振り返ると、公務員にははっきりしたメリットがある一方で、人によっては合わないと感じる部分も少なくない仕事だったと思います。
私は公務員として働いたあと、営業職へ転職しました。だからこそ、公務員の良さだけでなく、外に出て初めてわかった特徴も感じています。今回は、実体験をもとに、公務員のメリット・デメリットについて書いてみます。
公務員は安定していると言われるが、実際にどうだったか
公務員と聞くと、まず思い浮かぶのは「安定」という言葉かもしれません。実際、そのイメージは大きく外れていないと思います。
毎月の給与が急に大きく下がることは少なく、毎年少しずつ昇給していく安心感もありました。民間のように会社の業績によって大きく左右されにくく、倒産の不安がほとんどないという点も、公務員ならではの強みだと思います。
ただ、その安定がそのまま「楽さ」や「ホワイトさ」につながるわけではありませんでした。公務員は安定している一方で、独特の大変さもあります。外から見たイメージと、実際に働いた感覚には少し差がある仕事だと思います。
実際に働いて感じた公務員のメリット
1. 給与や雇用が安定していて生活設計しやすい
一番大きいメリットは、やはり安定感です。毎月の給料が大きく乱れにくく、毎年昇給していく仕組みがあるので、長い目で生活設計を立てやすいと感じました。
特に、将来のことや家族のことを考えたとき、この安心感はかなり大きいです。転職してから改めて、公務員時代の「見通しの立てやすさ」は大きな強みだったと感じています。
2. 倒産の不安がほとんどない
民間に出てからより強く思ったのは、公務員には「組織がなくなるかもしれない」という不安がほとんどないことです。これは精神的にかなり大きかったです。
もちろん、公務員にも異動や人間関係、仕事の大変さはあります。ただ、「会社が傾いたらどうしよう」という種類の不安を持ちにくいのは、公務員ならではのメリットだと思います。
3. 地域貢献したい人にはやりがいがある
公務員の仕事は、住民の生活や地域の仕組みに関わることが多いです。派手ではなくても、自分の仕事が誰かの生活を支えている感覚は持ちやすいと思います。
地域のために働きたい人や、人の役に立つ実感を持ちながら働きたい人には、公務員はかなり向いている仕事だと思います。私自身も、その部分にはやりがいを感じていました。
4. ルールがしっかりしているので安心感がある
公務員の仕事は、良くも悪くもルールや手順が整っています。業務の進め方がある程度決まっているので、慣れてくると動きやすい面がありました。
もちろんイレギュラーな対応はありますが、全体としては「何を基準に判断するか」が明確なことが多いです。そのため、自分だけで抱え込むというより、制度やルールに沿って進められる安心感がありました。判断の拠り所がはっきりしているという意味では、働くうえでの安心材料になっていたと思います。
5. 異動があるので、同じ仕事に飽きやすい人には向いている面もある
公務員は数年単位で異動があることが多いです。これはデメリットにもなりますが、見方を変えればメリットでもあります。
同じ仕事を何年も続けるのが苦手な人や、環境が少し変わる方が気分を切り替えやすい人にとっては、異動が刺激になることもあります。実際、ずっと同じ仕事を続けたいタイプではない人には、向いている面もあると思います。
働いてみてわかった公務員のデメリット
1. 公務員はホワイトというイメージが強いが、実際はブラックな面もある
公務員は「ホワイトで楽そう」と思われがちですが、その認識は少し違うと感じています。実際には、部署によってかなり忙しさに差がありますし、決して楽な仕事ばかりではありません。
特に配属先によっては残業が多く、想像していたよりかなり大変だと感じることもあります。私自身、公務員=余裕がある仕事、というイメージだけで語るのは違うと思うようになりました。
2. 異動が頻繁にあるので、仕事を覚えた頃にまた変わることがある
異動はメリットにもなりますが、やはり大きなデメリットでもあります。せっかく仕事に慣れてきて、流れがつかめてきた頃に異動になることも珍しくありません。
「やっと覚えたのに、また一からに近い感覚になる」というのは、思っていた以上に負担でした。新しい仕事を覚えること自体よりも、そのサイクルが何度も来ることにしんどさを感じる人も多いと思います。
3. 初任給は高くなく、長く働かないと良さを感じにくい面もある
公務員は安定していると言われますが、初任給が特別高いわけではありません。毎年少しずつ昇給していく仕組みはありますが、その恩恵をしっかり感じるには、ある程度長く働く必要があると思います。
そのため、「今すぐ収入を大きく伸ばしたい」と考える人にとっては、少し物足りなさを感じるかもしれません。安定はある一方で、その良さがはっきり見えてくるまでには時間がかかる働き方だと感じました。
4. 昔の風習や前例が残りやすい
公務員の職場では、前例や昔からのやり方が重視されやすいと感じていました。もちろん、制度や公平性の観点から慎重さが必要な場面も多いです。
ただ、その一方で「今のやり方の方が良いのでは」と思っても、すぐには変えにくい空気があるのも事実です。転職してから振り返ると、公務員の職場には昔の風習が残りやすい部分があったと思います。
5. 日々の業務が単調に感じることもある
部署にもよりますが、公務員の仕事は日々の流れがある程度決まっていることが多いです。その安定感が働きやすさにつながることもありますが、人によっては毎日同じ仕事の繰り返しに感じることもあると思います。
私自身も、安定している反面、変化の少なさに物足りなさを感じることがありました。新しい刺激や、自分で考えてどんどん動くことが好きな人には、少し窮屈に感じるかもしれません。
6. 転職の場面では、公務員特有の経験がそのまま伝わりにくいこともある
転職して感じたのは、公務員で身につく経験やスキルは、公務員の仕事の中では役立つ一方で、民間に出た時にそのまま強みとして伝わりにくいことがあるという点です。
もちろん、公務員として働いた経験の中にも、調整力や丁寧さ、責任感など活かせる部分はあります。ただ、仕事内容が独特だからこそ、転職の場面では自分の経験をどう言い換えるかを考える必要があると感じました。そういう意味では、転職の幅が広いとは言いにくい部分もあると思います。
転職してから見えた、公務員という働き方
公務員から営業職に転職して強く感じたのは、「公務員のしんどさ」と「民間のしんどさ」は種類が違うということです。
公務員は安定しています。給料も比較的見通しが立ちやすく、急な不安を感じにくい働き方です。その安心感はやはり大きいと思います。
ただその反面、配属によっては残業も多く、異動も頻繁で、昔の風習も残りやすい。決して「楽だから続けやすい仕事」というわけではありませんでした。
営業職に転職してからは、スピード感やコミュニケーションの幅が一気に変わりました。大変さは別の方向で増えましたが、自分で考えて動く感覚は強くなりました。
その経験を通して今思うのは、公務員は良い・悪いで単純に分けられる仕事ではなく、向いている人には大きなメリットがあり、合わない人にはしんどさが強く出る仕事だということです。
公務員が向いている人・向いていない人
公務員が向いているのは、安定を大切にしたい人、ルールに沿って丁寧に仕事を進めたい人、地域や人の役に立つことにやりがいを感じる人だと思います。
一方で、変化の多い環境が好きな人や、自分で考えてどんどん動きたい人、前例に縛られず柔軟に進めたい人には、少し合わないと感じることもあるかもしれません。
また、異動があることで気分転換になる人もいれば、ようやく慣れた頃に仕事が変わることを大きなストレスに感じる人もいます。このあたりは本当に人によると思います。
だからこそ、公務員を目指すときは「安定しているから」という理由だけで決めるのではなく、自分がどんな働き方をしたいのかまで含めて考えることが大切だと感じています。
まとめ
公務員のメリットは、やはり給料や雇用の安定、倒産の不安が少ないこと、地域貢献の実感を持ちやすいことだと思います。また、ルールがしっかりしている安心感や、数年単位で異動があることで同じ仕事に飽きやすい人には向いている面もあります。
一方で、公務員は必ずしもホワイトとは言えず、部署によっては残業も多く、異動の頻度や昔の風習、仕事の単調さにしんどさを感じることもあります。さらに、初任給は高くなく、良さを感じるには長い時間が必要で、転職時には経験の伝え方に工夫が必要だとも感じました。
実際に働いてみて、さらに転職したからこそ思うのは、公務員は安定しているから誰にでも向いている仕事ではないということです。大事なのは、世間のイメージではなく、自分に合う働き方かどうかを考えることなのだと思います。
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